地域の文化活動に取り組む女性たち : アマチュア人形劇団の活動を事例として

Abstract

本論では，人形劇という子どもを主たる観客対象とする地域の文化活動の取り組みが，その活動に取り組む市民，特に母親を中心とした女性にとってどのような役割を果たしたかを考察することを目的とした。調査対象は，枚方人形劇連絡会，船橋地区アマチュア人形劇連絡会，大潟村人形劇同好会「八郎」，東野人形劇あかねとした。その結果，「母親同士の取り組みを通し，子どものより良い生活や育ちを考える意識の拡がりをもたらした」，「自己実現の喜びを感じ，さらなる向上を目指した前向きな姿勢を持たせた」，「自分の世界を拡げ，主体的な市民として自ら活動する姿勢を身に付けた」という3つの成果があったことが考察できた。