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発達教育学研究:京都女子大学大学院発達教育学研究科後期過程研究紀要 >
第08号(2014-03-15) >
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http://hdl.handle.net/11173/1641
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タイトル: | 母親の情動表現スタイルが女子大学生の情動表現スタイルと自尊感情や自立心に与える影響 : 母子の信頼関係を媒介として |
その他のタイトル: | The Relation between Maternal Emotional Expressivity and Her Daughters' Expressions, Self-esteem, Autonomy among Women's University Students : In Terms of Their Confidential Relationship |
著者: | 森下, 正康 MORISHITA, Masayasu 福井, えがお FUKUI, Egao |
キーワード: | 情動表現スタイル 母子関係 自尊感情 自立心 女子大学生 |
発行日: | 2014年3月15日 |
出版者: | 京都女子大学 |
抄録: | 本研究は, 女子大学生の母親の情動表現スタイルが, 娘の情動表現スタイルと自尊感情や自立心にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とした。次のような仮説を設定した。母親の親和的な情動表現スタイルは, 娘と母との信頼関係を高め, その信頼関係が娘の親和的な情動表現を高め, さらに娘の自尊感情および自立心を高めるだろう。その反対に, 母親の否定的な情動表現スタイルは, 娘の否定的な情動表現を直接高めるとともに, 娘と母の信頼関係を低下させ, それが娘の自尊感情や自立心を低下させるだろう。女子大学生215名を対象に質問紙調査を行い, 自分と母親の情動表現スタイルの特徴, 母子関係の特徴, 性格の特徴の測定を行った。因子分析の結果, 情動表現スタイルについては母と娘に共通して「親和的情動表現」「否定的情動表現」「情緒的混乱」の3因子が得られ, 母子関係については「信頼愛情」「意思疎通」の2因子が, 性格の特徴については「自尊感情」「分離独立心」「自立心」の3因子が得られた。各因子に対応する尺度を構成し信頼性を確認し, 共分散構造分析を行った。分析に当たって, 「信頼愛情」因子と「意思疎通」因子の背景に『信頼関係』という潜在変数を導入した。さまざまな視点から分析を行った結果, 最終的に適合性の高いパスモデルが得られた。①仮説とは反対に, 娘の「親和的情動表現」が多いほど母親の「親和的情動表現」を高め, 娘の「否定的情動表現」が多いほど母親の「否定的情動表現」を高めていた。②娘の「親和的情動表現」が, 娘と母親の『信頼関係』を高め, 母親の「否定的情動表現」が『信頼関係』を低下させていた。これは仮説を部分的に支持していた。③娘と母の『信頼関係』が母親の「親和的情動表現」を高めると共に, 娘の「自尊感情」を高めていた。前者は仮説とは反対で, 後者は仮説に沿った結果であった。④「自立心」が「自尊感情」と「分離独立心」を高めていた。以上, 仮説とは異なって, 娘から母親への情動的な相互作用の影響が強く, そのようななかで, 娘と母親の信頼関係や娘の自立心, 自尊感情が形成される可能性が示唆された。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11173/1641 |
出現コレクション: | 第08号(2014-03-15)
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